縷流図書館

本を通してみる世界は、きっとまだ知らない世界。理系大学生による書評ブログ。

川村元気 「四月になれば彼女は」

 

こんにちは、Rukaです!

 

今日紹介するのは、川村元気さんの、「四月になれば彼女は」です。

 

四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

 

 

妹に前に薦められた本で、

「久し振りに恋愛小説を読むか」

と、軽い気持ちで手に取り、読んでみました。

また現在彼女のいない自分に、ぴったりの本だとも思いました笑

 

  • あらすじ

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人とーー。

天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。

ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのかーー。

失った恋に翻弄される、12ヵ月がはじまる。

(本の帯から引用)

 

  • 感想

あのなんとも言えない読後感はなんなんでしょう。

孤独?切なさ?虚無感?どれもピンとこない

今の自分の語彙力では表現できない、複雑な感情がありました。

敢えて言うなら、切なさ1番強かったですかね。

 

 

「愛とは何か?」

 

主人公の藤代(ふじしろ)、彼の婚約者である弥生(やよい)、藤代の初めての彼女である春(はる)をはじめとして、他の登場人物達も上記の疑問について悩み考えています。

 

正直、恋愛経験の少ない自分にとっては、理解はできるけど納得いかないものもいくつかありました。

 

そんな中、共感できた部分がありました。

 恋は風邪と似ている。

 風邪のウイルスはいつの間にか体を冒し、気づいたら発熱している。だがときが経つにつれ、その熱は失われていく。熱があったことが嘘のように思える日がやってくる。誰にでも避けがたく、その瞬間は訪れる。

P61より引用)

これは「恋」を的確に表現しているなと。

どんなに永遠だと思える恋でも、その情動は冷め、いつかは終わりを迎える。

自分は高校時代に彼女がいたんですが、まさしく風邪をひいてる状態でしたね笑

 

でも、風邪が治る前に何度も同じウイルスに感染してしまう二人が、結婚まできっといくんでしょうね。

 

「恋は風邪と似ている」

このフレーズを生み出せる川村元気さんは、本当に尊敬します。

 

 

  • まとめ

青春ラブストーリーではなく、恋愛について考えさせられる1冊でした。

こういう本を読むと、今まで付き合ってきた恋人や、今好きな人のことを考えてしまいますよね。

 

最後に自分が思う恋愛について。

「恋とはスパイスと似ている。

無くても生きてはいけるが、あると劇的に人生が刺激的なものになる。」

 

それでは、また。